甦るブッダ
● 甦るブッダ
三十五歳で悟りに到達したブッダも、多くの人々に法を説き、八十歳で、入滅する・
その少し前、弟子のアーナンダにブッダは説きます。
自分はすでに八十歳の高齢となり、自分の肉体は、あたかも古い車がガタガタとなってあちこちを革紐で縛り、やっと保たれているようなものである。
だから、阿難よ、汝らは、ただみずからを灯明とし、みずからを依処として、他人を依処とせず、法を灯明とし、法を依処として、他を依処とすることなくして、修行せんとするものこそ、わが比丘(修行者、信者)たちの中において最高処にあるものである」
と説法したとされる。これが「自帰依自灯明、法帰依法灯明(じきえじとうみょう、ほうきえほうとうみょう)」の教えです。
入滅後、ブッダを信奉する人々に依って、法(ブッダの教え)は、守られてきました。
しかし、ブッダその人が書き残したものは、何一つ無く、その後も百年以上、高弟たちにより、言葉による記憶暗誦に依って法は語り継がれてきました。
その後、ブッダの偉大な足跡をより確固たる物にする為、仏典が、結集されます。
その数、世界各地で、千年以上にわたり、八万四千の法門と言われる様な、膨大な経典が生み出されました。
日本に於いても、各宗派の開祖は、書き残された経典からブッダの教えが何たるかを、自らが悟り、人に説いて来ました。
開祖が自ら悟った瞬間、また、その教えに触れた人々の中に、経典の中に閉じ込められて居たブッダが、鮮やかな輝きを放ち時を超え、甦るのです。
また、その教えを受け継ぎ、守ってきた人々が、います。
悟道は、今日に於いても、自帰依自灯明、法帰依法灯明と言い残したブッダの言葉を正しく行う人の中に、ブッダは絶えず甦り続けていると、考えます。
普段、ブッダのことなど忘れて生活している人は、幸福だと思います。
しかし、その幸福な日常が続く保障は、何処にも有りません。
そして、その日常が大きく変化する時、(それは、貴方個人に関するものだけでは無く、貴方を取り巻く状況も含む)その変化が大きく深ければ深いほど、ブッダは貴方の中に、より輝きを増して甦るでしょう。
しかし、一つの条件が有ります。
真似事でも、良いのです。
自帰依自灯明、法帰依法灯明について、思いを馳せることが出来れば、貴方がブッダを必要とする時、ブッダは必ず甦り、貴方の未来を拓く、何かを語ってくれると、悟道は思います。